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未来を見据えて伝えたい「食」にまつわる5つの物語

果物の本当のおいしさと
向き合いたい
「青木農園」 
青木秀文 地下2階 「北野エース」

格安の輸入品に頼る食生活を見直し、
土地の風土に合った伝統食や農業の保護を考える。
世界各地で“食の在り方”を問うきっかけとなった
“スローフード運動”は、
イタリア・ピエモンテ州が発祥の地と言われています。
この地に暮らし、現地の食文化を体感すること、約6年。
その経験は、和歌山県海南市で100年以上続く
「青木農園」の現当主、青木秀文さんの人生を
大きく変えました。

青木秀文(あおきひでふみ)
 「青木農園」代表取締役社長

体にやさしく、環境にやさしく。
“本物のおいしさ”を知る、イタリアの食文化。 
 「私は現在の仕事を始める前、ものづくりメーカーの海外事業部に勤めていました。ヨーロッパや南米を転々とし、2000年にイタリア・ピエモンテ州へ。寒冷な気候で生の作物が傷みやすいこの地域は、保存食作りに長けていました」。ジャムやソースなど、農作物を皮ごと使う保存食が家庭でも盛んに作られる北イタリアでは、生産者、消費者共に、有機栽培への関心が非常に高いのだとか。また、週末行われる朝市にもよく足を運んでいたという青木さん。「朝市に買物に訪れる人々は舌が肥えているため、下手なものは販売できません。農家が育てた“本物”をしっかりと受け止めてくれる“本物の消費者”に販売する。生産者と消費者で相互理解のある関係性を、日本でも築いていきたいと思いました」。
そんな彼が帰国後「青木農園」を受け継ぎ、すぐに着手したのは、必要最低限の農薬しか使用しない果物作り。農園では温州みかんや清見、バレンシアオレンジなどの多彩な柑橘類、イチジク、キウイが主に作られていますが、どれも皮までおいしく食べられます。「特にイチジクは雨による腐敗や害虫を防ぐため、ビニールハウス栽培に切り替えました。樹上完熟した実は甘みがギュッと凝縮され、果肉もふわふわでおいしいですよ」。キウイでは、栽培中の農薬量を使用制限の半分にまで低減することができました。「輸入物は健康面での懸念要素があります。私の農園では、自分たちで農作物の管理ができるよう、あえて栽培面積を抑えています」。

「青木農園」がある和歌山県海南市は、フルーツの名産地。

皮まで丸ごとおいしい果物。
その魅力を、余すことなく伝えたくて。 
 イタリアで学んだ保存食作りの文化を生かし、農園自慢の果物で作るドライフルーツは、「青木農園」の自信作。果実に含まれる水分を庫内で撹拌し、低温でじっくり乾燥させる“露点加湿乾燥”を採用。果物の種類により乾燥時間を細かく調整することで、果実本来のみずみずしさやおいしさを、ドライフルーツでも楽しむことができます。「皮まで食べられる、うちの果物の良さを最大限に引き出してくれる他、サイズが小さいものや熟しすぎた果物を余すことなく加工できるので、生産物を無駄なく、おいしく味わっていただけます。そのまま食べてもおいしいのですが、フルーツウォーターにしたり、ワインやブランデーに漬けて洋菓子作りに使ったり、いろんな楽しみ方を見つけていただきたいです」。

フルーツの生産から加工まで、
「青木農園」ですべて一貫して行います。

食べ物を暮らしの中心に据えること。家族とゆっくり食事をとること。真摯に取り組む生産者から、おいしくできたものを分けてもらうこと。おいしく調理されたものに感謝すること。北イタリアで学んだスローフードの文化を実践し、生産物を無駄なく、地元素材のおいしさを広めていく「青木農園」。その姿勢は、どんな時代にも忘れてはならない“果物の本当のおいしさ”“食文化の本当の価値”を伝えていこうとしています。

「青木農園」 
①ドライフルーツミックス(35g)1,080円
②ドライキウイ(30g)810円
③ドライいちじく(55g)1,080円
④ドライバレンシアオレンジ(25g)810円

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