日本全国に“塩鮭”のおいしさを広めた男、高田屋嘉兵衛(たかだやかへえ)。“塩釣干”歴50年のベテラン、「鮮食」の代表 樽本外余男さんは、彼の技に独自のアレンジを加え、今に伝える伝道師。ロシア・東カムチャッカ水域で水揚げされた紅鮭を船内〆し、30日間かけて丁寧に仕上げ。伝統の“塩干釣製法”を施された紅鮭には、どんな歴史とおいしさが詰まっているのだろうか。

【目次】

1.高田屋嘉兵衛(たかだやかへえ)の技を今に

「鮮食」代表 樽本外余男さん

「鮮食」代表 樽本外余男さん

いまや日本の食卓に欠かせない魚、鮭。その漁場を開拓し、日本全国に“塩鮭”のおいしさを広めた男、高田屋嘉兵衛(たかだやかへえ)。彼の“塩漬け製法”に魅せられた、ひとりの職人を紹介しよう。“塩釣干”歴50年のベテラン、「鮮食」の代表 樽本外余男さん。高田屋嘉兵衛(たかだやかへえ)の技に独自のアレンジを加え、今に伝える伝道師である。「私はとにかく、鮭が好きで、好きで!安心・安全でおいしい塩漬けを研究しているうちに、高田屋嘉兵衛(たかだやかへえ)の製法にたどり着きました」。

2.世界一の調味料を使った“塩干釣製法”

ロシア・東カムチャッカ水域で水揚げされた紅鮭を船内〆し、30日間かけて丁寧に仕上げ。その際に、欠かせない調味料がふたつある。「まずは、塩。うちでは、新潟県村上市で手作りされる“白いダイヤ”を使っています」。平釜に入れた海水を薪で煮出し、濃縮。低温で時間をかけ、水面でゆっくりと結晶化させた塩は、口どけが良く、雑味のないまろやかな味わいだ。「ふたつめは、故郷・淡路島の海水。最後の仕上げに使うのですが、この海水こそ、塩鮭作りに欠かせない“世界一の調味料”です」。

3.素材へのこだわりが生んだ究極の“塩鮭”

全国各地の塩を試し、ようやくたどり着いた“白いダイヤ”と、高田屋嘉兵衛(たかだやかへえ)の故郷でもある淡路島の海水。ふたつの調味料をまとい、伝統の“塩干釣製法”を施された紅鮭は、旨みがギュッと凝縮。味は少し辛めだが、その塩気が、炊きたてごはんと相性ばっちりだ。シンプルなおいしさこそ、丁寧に。高田屋嘉兵衛(たかだやかへえ)の意志は、いまもなお私たちの食卓で、確実に受け継がれている。