200年以上前に“郡大根”という名称で親しまれてきた“青味大根”しかし、生産費用が高く、手入れも大変で割に合わないことから、生産農家が激減し絶滅の危機に瀕していた。そこで立ち上がったのが「京つけもの もり」。「おいしい漬物はおいしい野菜から」を合言葉に、亀岡市にある自社農園で栽培をスタート。日本の食文化と共に、京都の伝統野菜を守り続ける、名店の試みとは。

【目次】

1.絶滅の危機に直面した“青味大根”

形が特徴的な青味大根

形が特徴的な青味大根

皆さんは、“青味大根”という野菜をご存じだろうか。200年以上前に“郡大根”という名称で親しまれてきた大根の品種で、香りや歯応えが優れており、縁起物として祝いの席で重宝されていた。しかしながら生産費用が高く、手入れも大変で割に合わないことから、生産者が激減。いつしか種の保存のため委託された少数の農家しか栽培にたずさわらず、絶滅の危機に陥った。その流れに“待った”をかけたのが、京漬物の名店「京つけもの もり」だ。

2.おいしい漬物作りの秘訣は、野菜作りから

左から)「京つけもの もり」農場長の田中さんと製造部の森さん

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「京つけもの もり」農場長の田中さんと製造部の森さん

「おいしい漬物はおいしい野菜から」を合言葉に、亀岡市にある6,000坪の自社農園で野菜作りを手掛けていたことから、青味大根の栽培にも踏み切った「京つけもの もり」。「亀岡は昔から都への農産物の供給地だったこともあり、野菜作りに適した“土”がありました。そこで、購入した青味大根を植えて栽培し、収穫した青味大根から種を採る試みを始めました」。失敗と成功を重ねながら野菜作りに取り組み、絶滅が危惧されていた京野菜の復興に力を尽くしてきた。

3.失われつつある伝統の京野菜に未来を

細長い形が特徴的な“青味大根”。程良い辛みとバリバリとした食感は漬物と好相性。ここではその味を生かした4種の漬物を手掛け、どれもごはんのお伴や酒の肴として人気を博している。「今日つけもの もり」の歴史は、野菜作りの歴史なのだとか。「京都の伝統野菜は、絶やしてはならない土地の宝。私たちはこれからも、他社が扱っていない京野菜作りにチャレンジしていきたいと思います」。