自分の作った物で、誰かに喜んでもらいたい。
そんな気持ちで農業へ。

「ひなたいちご園」があるのは、宮崎空港から自動車で約5分のところ。“日本のひなた”と言われ、日本有数の日射量と晴天日数を誇り、自然林が天然記念物に指定されている双石山(ぼろいしやま)からの清らかな水にも恵まれている。社長の長友一平さんは、高校を卒業後、福岡でサービス業に就いていたが、自分で作った物を売りたいと、両親が農業をしていたこともあり、宮崎に帰り、農業に就くことを決意。もらった人が笑顔になるような物を作りたいと、選んだのが“いちご”。栽培方法で味が大きく変わること、加工品が豊富な事も魅力だという。

「ひなたいちご園」社長 長友一平さん。

「ひなたいちご園」社長 長友一平さん。

いちごに馬糞!?夢中に研究するうちに
グッドバランスの肥料を開発

おいしいいちごを作るために大切なことは、定植後の根作り。定植1ヵ月後の根の量がその年の生産量を左右すると言っても過言ではない。そこで長友さんがこだわったのは、土に混ぜる肥料と、そのアミノ酸バランス。生産を始めた頃は、植物系は、ノルウェー産の海藻を加工したもの、魚系は有明海の魚を加工したもの、動物系は牛の血粉を加工したものをブレンドしていた。もっとおいしくしたいという思いから、“菌”について猛勉強した結果、馬糞の良さに気付いた。偶然いちごハウスの隣にあった乗馬クラブで、馬がいかに健康に配慮して飼育されているかを知り、馬糞の肥料としての素晴らしさを確認。これを、発酵させる技術を他の農家の方に教えていただき、臭いのない馬糞肥料を作るように。馬糞肥料は、“馬力矢”の会を作り、他の作物を作っている人たちとも連携している。

ハウスのとなりは、乗馬クラブ。馬糞をいつも提供いただいている。

ハウスのとなりは、乗馬クラブ。
馬糞をいつも提供いただいている。

8年がかりで糖度15〜20度に。
これからの夢は、新品種を作ること

おいしく安全ないちごを作るために、試行錯誤を繰り返す長友さん。糖度をもっとあげられないかと思い、自然の太陽の恵みに加えて、最新の光合成機器を導入した。工場などから排出されたガスを洗浄して再利用した無臭の液化炭酸ガスを吸収させることで光合成が盛んになる。また、いちごの健康状態をQRコードで読み取るシステムも導入。スマート農業の推進にも余念がない。現在は、粒が大きく、甘みと酸味のバランスがいい“夢ノ叶”を中心に作っているが、新品種を作るのが夢。いちごに夢中の長友さんが生み出す新品種が楽しみだ。

立って収穫できる高設栽培。地植えの1.5倍くらいのスピードで収穫できる。

立って収穫できる高設栽培。
地植えの1.5倍くらいのスピードで収穫できる。

きめ細かいお麸の歯ざわりが楽しめる“玉”。

旬:12月-5月
1年中食べられるいちごだが、一般的なハウス栽培は、5月末に収穫が終わり、6月から苗を育てる期間に入る。旬のこの時期にしっかりと楽しんでほしい。
◎地下2階 生鮮食品売場「キムラフルーツ」