「梅乃宿酒造」製造統括部リキュール製造課・竹内直己さん

「梅乃宿酒造」
製造統括部リキュール製造課・竹内直己さん

葛城山から二上山に延びる山脈の東麓に位置する「梅乃宿酒造」。「弊社は奈良盆地に位置し、冬は霜が降りるくらい、ぐっと冷え込むので酒造りに適しているんです」。そう話すのは、「梅乃宿酒造」の取締役・桝永剛さん。「梅乃宿酒造」では“飲む人をワクワクさせる”ことを大切にし、127年続く伝統を継承しながら、若い人にも楽しんでもらえるように様々な挑戦に取り組んでいる。固定観念に捉われず、日本酒の魅力を広めるために、『梅乃宿』がこだわり、実践していることを紐解いていく。

【目次】

1.伝統を守りながら、時代に合わせたお酒造りを

半切りの桶の中に蒸米と水を入れ、櫂で丹念にすりつぶす作業“山卸(やまおろし)”

半切りの桶の中に蒸米と水を入れ、
櫂で丹念にすりつぶす作業“山卸(やまおろし)”

「梅乃宿酒造」のこだわりは伝統的な製法 “生酛造り”。「生酛造りとは、酒造りに欠かせない酵母造りの技法のこと。うちでは、人工の乳酸菌を添加する速醸法だけでなく、天然の乳酸菌によって雑菌を取り除きながら純粋な酵母を育てています。その結果、複雑な味わいと独特の風味が際立つんです」。また、日本酒業界はかつてないスピードで変化していると桝永さんは続ける。「日本の酒蔵が梅酒(リキュール)を造ることも、20年前では未知の領域でした。しかし、伝統技術を礎に時代に合わせた商品を造り続けることも『梅乃宿』の使命だと考え、日本酒以外の商品開発にも挑戦しています」。

2.“和リキュール”で日本酒を楽しむきっかけを増やしたい

日本酒をはじめ、“和リキュール”など多彩なラインナップ。

日本酒をはじめ、“和リキュール”など
多彩なラインナップ。

『梅乃宿』では、伝統的な製法で造られた日本酒をより多くの人に楽しんでもらえるよう、国産果汁を使った“和リキュール”の製造も行っている。「日本酒が果汁の旨みを引き立ててくれるんです。アルコールが苦手な方からも“これなら飲める!”と言っていただけます」。“和リキュール”は人気商品となり、“三重あらごし みかん酒”や“しずおか ふんわりいちご”など、地域限定商品も販売している。「おすすめのアレンジレシピをInstagramに投稿しているので、参考にしてもらえるとうれしいです」。

3.チャレンジ精神を大切にし、世の中に求められるものを造り続ける

「梅乃宿酒造」の未来を語る取締役の桝永剛さん

「梅乃宿酒造」の未来を語る取締役の桝永剛さん

最近はお酒だけでなく、SDGsの一環として梅の実をジャムの材料として提供したり、『梅乃宿』の蔵の吟醸粕に漬けて作った奈良漬を販売するなど、幅広い取組みを行っている。「お酒には人と人とを結びつける力があると感じています。これからもお客様との繋がりを大切にしながら、お酒の魅力を伝えていきたいです」。未来の伝統となるような“新しい酒文化”を生み出し、発信していくため、「梅乃宿酒造」の挑戦は続く。