「玉乃光」製造部・山川結さん

「玉乃光」製造部・山川結さん

伏見は良質な水に恵まれているため、昔から酒造りの盛んな地域である。“伏見の女酒”という言葉があるように、柔らかな酒質が特徴だ。1673年に創業し、“まじめに、まじめに、去年よりもいい酒を”という思いのもと、純米酒を作り続ける「玉乃光」。「私自身、お酒が好きで発酵や醸造に興味があったため、『玉乃光』でお酒造りに携わっています。これからも日本酒の伝統を守り、多くの人にその魅力を伝えていきたいですね」と話す製造部・山川結さんの思いををうがかった。

【目次】

1.「玉乃光」が考える、“本来の日本酒”とは

340年以上続く、歴史ある蔵。

340年以上続く、歴史ある蔵。

米と米麹だけで造られる酒を“純米酒”という。しかし、市場に出回る日本酒の約8割は米以外のアルコールが添加されているのが現状だ。「『玉乃光』は“米だけで造る日本酒”こそが本来の日本酒だと考え、1964年に純米酒を復活させました」と山川さん。素材がシンプルな分、米や水へのこだわりが強い。幻の酒米“備前雄町”や京都産酒米“祝”を使用。水はもちろん、地元・伏見の名水を使用。「伏見の水は程よいミネラルを含んでいて、お酒造りに必要な微生物が育ちやすいんです。しかも天皇陵があり、山が開発されていないので良い水質が保たれています」。

2.酒造りに欠かせない酒米を自社精米

収穫した酒米は水分やたんぱく質などの比率を調査し、独自の厳しい基準をクリアしたものだけを使用している。「収穫後の精米はできるかぎり自社で行っています。専用のローラーで30時間から48時間かけてゆっくり丁寧に磨き、脂肪やたんぱく質を削っていきます。米の中心部“心白(しんぱく)”を無駄なく残すために米を平らに削るのが特徴です。この“扁平精米(へんぺいせいまい)”という技術が純米酒の旨みの秘密です」。

3.“日本酒”という伝統を守り、後世に繋げる

こだわりの素材、時間と手間をかけた丁寧な製法によって完成した純米酒は米の旨みが詰まった上品な味わいだ。「わたしたちが目指すのは“飽きのこない酒”、“食事を引き立てる酒”です。流行とは無縁ですが、愛され続ける純米酒を造っています。」と山川さんは話す。「イベントなどで、お客様がおいしそうに純米酒を飲んでいる姿を見ると、とてもうれしくなります。“なんていい笑顔なんだろう”と私まで笑顔になりました」。純米酒の魅力を広めるために“夢天下(無添加)会”という純米酒を楽しみながらお客様と交流する場も作っている「玉乃光」。これからも“本来の日本酒”を極め、造っていく。