左上から) 会長 杉崎保巳さん、
                                        育種・開発 前田光樹さん、品質管理 東健司さん、
                                        資材 東伸幸さん、営業販売 巽祐輔さん

左上から) 会長 杉崎保巳さん、
育種・開発 前田光樹さん、品質管理 東健司さん、
資材 東伸幸さん、営業販売 巽祐輔さん

「奈良いちごラボ」は、奈良県でいちごに携わっている5人で立ち上げたチーム。2013年、橿原市に産直市場「まほろばキッチン」が開業した時、手塩にかけたいちごが、価格競争にさらされていることに危機感を覚えたメンバーが連携し、生産はもちろん、商品開発、パッケージ、営業販売、広報まで、それぞれの得意分野を生かして、クオリティーを高め、ブランド化をはかっている。酸味が苦手な海外の人たちも視野に、メンバーの前田光樹さんが開発した白いちご“パールホワイト”や、奈良のブランドいちごである“古都華”、薄いピンクが上品な“淡雪”など品質にこだわったいちごを生産し続けている。

【目次】

1.きっかけは、産直市場での危機感

「奈良いちごラボ」のメンバーが出会ったのは、産直市場として2013年にオープンした「まほろばキッチン」。産直では、メンバーこだわりのイチゴが、品質に関わらず同じように並べられ、価格競争にさらされる。売場面積も限られた中で競い合うことに危機感を感じた5人がつながり、お互いのクオリティーを高め、ブランド化することで、価格競争に巻き込まれない、いちご作りを始めた。当初は生産技術のレベルにばらつきがあったが、上手い人が教える形で、全員のクオリティーアップに成功した。

2.5人の得意分野を生かしてブランド化

「奈良いちごラボ」のメンバーは、まとめ役の会長が、五條市「すぎざきふぁーむ」の杉崎保巳さん、海外にも広めたいと酸味少なめの白いちご“パールホワイト”を開発し、育種や広報も担当する桜井市の「前田ストロベリー研究所」前田光樹さん、品質管理を担当する天理市の「イチゴ太郎」東  健司さん、資材を担当する平群町の「東バラ園」東  伸行さん、営業販売を担当する葛城市の「いちごのたつみ」巽  祐輔さん。仲間であり、ライバルとしてそれぞれが刺激しあって、いちごのクオリティーを上げることはもちろん、それぞれの得意分野をいかして、奈良いちごの良さを広めている。アジアを皮切りにラスベガスやカタールなど海外にも進出中。

3.苗作りから箱詰めまで、こだわりを凝縮

いちご作りで最も大切なのは、苗作り。「奈良いちごラボ」では、1本、1本に手で水をあげる手潅水にこだわっている。機械に比べると格段に手間がかかるが、その分いい苗が育つ。農薬をできるだけ使いたくないとの思いで、害虫は天敵をハウスに入れて駆除。収穫もヘタの裏までひと粒ずつ目で確認して優しく手摘みしている。さらに、箱詰めは、どの大きさのいちごをどこに配置すれば綺麗に見えるかというルールを決めるこだわりぶり。ブランド化の一環として、パッケージにもこだわり、2017年以降日本包装技術協会の『日本パッケージングコンテスト』の食品包装部門賞を4年連続で受賞するほどだ。

4.作り手直伝!おいしい食べ方

「奈良いちごラボ」の白いちご“パールホワイト”は、酸味が少なく、ほどよい甘さ。ほんのり優しいさくら色の“淡雪”は、さっぱりとした甘さ、奈良生まれのいちご“古都華”は、酸味があり、甘味とのバランスが絶妙。しっかりとした果肉で深みのある味わいだ。“パールホワイト”、“淡雪”、“古都華”の順に食べて欲しい。