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THE BON いま、私らしいお盆のかたち ♯若林智幸氏インタビュー

◎7月30日(水)〜8月12日(火)
◎1階 コトコトステージ12

毎年やってくる“お盆”。
お盆に長期休暇をとって、帰省をしたり、親戚で集まったりする方も多いはず。なんとなく過ごしているお盆の本来の意味とは?お仏壇とは?お供えとは?について、当イベントで商品を展開する株式会社 若林佛具製作所 代表取締役社長 若林智幸氏にお話を伺いました。

―まず、今回のイベントのテーマでもあるTHE BON=お盆とは、どんな行事なのでしょうか。

お盆とは、本来仏教の盂蘭盆会(うらぼんえ)という行事から由来している日本の行事で、あの世へ行ったご先祖様や故人が家へ帰ってくる期間と言われています。
※宗派によって異なります

旧暦では7月15日がお盆でしたが、明治時代に新暦に変わったことで、旧暦の7月を読み替えて8月にお盆の行事を行われる地域が多くなりました。

―お盆はご先祖様が帰ってくる期間とのこと。お迎えするにあたって、どのような準備をするのでしょうか

お盆期間の初日に、地域によって迎え火(おがらに火をつけて燃やす)を行い、軒先に盆提灯を吊り、帰って来るご先祖様への準備を行います。
弊社のある京都は、迎え火より送り火の方が有名です。大文字の五山送り火は、8月16日にご先祖様の霊を送るための伝統行事。その昔は他の山でも行われていましたが、今では五山が残り、観光を含めた恒例行事となっています。


仏壇の前には精霊棚を準備し、盆提灯に灯りをともします。盆提灯の灯は、ご先祖様が帰ってくる目印となります。精霊棚の上には色々なお供えとともに飾りつけをします。
キュウリとナスに足をつけて精霊馬・牛として供えますが、これはご先祖様の乗り物として、馬に乗って急いで帰ってきて、お盆が終わると牛に乗ってお土産を積んでゆっくりあの世へ戻ってほしいという思いから来ています。

若林佛具製作所では、馬と牛を木で作った毎年使えるオリジナル製品を販売。
アイデンティティはそのままに、インテリアになじむようスタイリッシュに仕上げられた盆提灯。
盆提灯 AKASHI 12,100円
ぬくもりのある木でかたどられた精霊馬と精霊牛、まこも紙を使用した箱におがらと蓮型のお皿もセットに。
盆飾りセット TOU 18,700円
※お供えの野菜は付属していません



―キュウリやナスに足がついた馬・牛を目にしたことがあります。そのような意味があったのですね。

お供えとしては、精霊棚にまこもの敷物、ごはんとお水、お花、蓮の葉のお皿に季節の野菜や果物、故人の好物などを飾り、特別な形でご先祖様をお迎えします。
インテリアが欧米化したり、昔ながらの仏壇への考え方が変わってきている今、新しい形のお供えも登場しています。ちりめんで食べ物や飲み物を表現したお飾りや、プリザーブドフラワーでごはんとお水を模したものもあります。

左)お供えのごはんとお水を表現したプリザーブドフラワー。
BUCCCA ごはんとお水セット 5,940円

右)故人の好きな食べ物をちりめんのオブジェで。
ちりめんのお供えセット 6,980円



―お線香もお供えとともに持参するとよいとのこと。お香を代わりにしてもよいでしょうか。

お線香を焚くことは、手を合わせる前に身を清めるという意味があります。
手を合わせる時には、献灯(ろうそくを灯す)、献花(お花を飾る)、献香、が基本となっており、お香を焚くことは献香にあたります。お香は昔ながらの香りのお線香でなくとも、今のライフスタイルに合わせた個人の好きな香りのお香で良いと考えます。

現在、火を使えないご家庭や施設に対して火を使わないお線香を開発し、hito/toki(ひととき)というオリジナル製品として販売しています。お線香に火をつける所作はそのままに、フレグランスがしみこんだ限られたひとときだけ香ります。人の時間に、その人のまわりだけ香るという意味も込められています。

芳香液に専用スティックと香立てが付いたセット。
hito/toki ディフューザー 4,400円




―お盆の意味やお供えについて伺いましたが、お仏壇が家にあってのこと。今、家に大きな和室がなかったり、うまくインテリアに溶け込まず、仏壇・仏具を置くのをあきらめてしまう方もいらっしゃるのでは。

仏壇の意味も変わってきている今、故人やご先祖を偲ぶ、感謝の想いこそが大事だと考えています。昔ながらの伝統的なお仏壇であろうと、モダンなデザインのお仏壇であろうと、それぞれの家庭にお仏壇を置いて、手を合わせて、先祖や故人と会話する、自分と向き合う、心の安らぎを得る・・・心を落ち着ける場所を作るのが大事ではないかと思います。

ミニマルでスタイリッシュなデザインは洋風のリビングにも溶け込む。

奥)仏壇 MEGURI S 29,700円 奥左)骨壺 YUWAI 39,600円 奥右)位牌 HANA ハニカム 38,500円
手前左から)三具足(香炉、花立、燭台のセット) MUSUBI 55,000円
※価格のないものは参考商品



デザイナーが手掛けるスタイリッシュな盆提灯であれば、お盆のお飾りだけでなくインテリアとしても使用できる。

棚上)盆提灯 AKASHI 12,100円 右)盆提灯 AGASATO 33,000円
※価格のないものは参考商品



―どのお仏壇や仏具も素敵で、魅力的なデザインですね。このようなアイテムであれば我が家にもぜひ取り入れたいです。

“お仏壇を飾る”時には、飾るものの意味についても考えていただきたいと思います。
冒頭の話のように、お盆であれば送り火と迎え火、馬と牛を飾る意味や、灯りをともす意味など、本来の意味を知ることによって日本古来の文化を継承していくことに意義があると考えています。

―手を合わせる心と文化を守ることが会社のミッションだと語ってくださった若林氏。今年のお盆は、改めてお盆の意味を理解し、ご先祖様や故人に感謝する機会にしたいですね。
貴重なお話をありがとうございました。


お話を伺ったのは・・・

株式会社 若林佛具製作所
代表取締役社長 若林智幸氏


1966年京都市に生まれる
1989年同志社大学卒業
卒業後、不動産関係の会社に入社し、京都および東京にて主に販売に従事
1992年 (株)若林佛具製作所入社
2006年専務取締役、2013年代表取締役社長に就任
社長就任後、家庭用仏壇及び寺院向のネット販売事業他新規事業をスタートし、関連会社の(株)若林工芸舎を文化財修理専門の会社として組織を再編成
2030年の若林佛具製作所創業200周年に向けて新たな取り組みを続けている。

THE BON いま、私らしいお盆のかたち
◎7月30日(水)~8月12日(火)
◎1階 コトコトステージ12

お話を伺った若林氏の若林佛具製作所のお盆飾りや仏壇をはじめ、お盆の手土産をご紹介します。
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