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帆足本家の台所美術館展
富春館 総支配人・帆足めぐみインタビュー

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2022.4.30



上空から見た帆足本家

大分市内の南に位置する戸次(へつぎ)に430年以上続く旧家、帆足(ほあし)家。江戸時代、庄屋となり、農業のかたわら酒造を業としてきた同家の母屋は、富春館(ふしゅんかん)”。江戸時代にタイムスリップしたかのような佇まいの帆足本家は大分市の有形文化財に指定。館号“富春”は、帆足家醸の銘酒を意味し、儒学者、頼 山陽(らい さんよう)によって揮毫命名されました。幕末から明治にかけて築造された酒造りは1972年まで続いています。

庭から見た母屋景観

代々受け継がれてきた歴史ある家。文化人や自由人たちが集ってきた“富春館”は、まさしく現代のサロン。6階 コトコトステージ61とプロモーションスペース61では、“帆足本家の台所美術館展”と題し、だんらんの場所であり、リラックスできる生活のスペースである台所の風景をクローズアップ。リピートするほどにおいしい食べ物、また、クリエーターたちによる手仕事のクラフトを展示販売。美しく生きる術をテーマに“暮らしそのまま美術館”として、手仕事により完成された思いのこもった作品を作る優れたクリエーターが集まり、対話しながら作品のプロセスや思いを伝えてくれます。
イベントに先駆け、帆足家15代当主の妻であり、“富春館”総支配人の帆足めぐみさんに“富春館”や今回の催しについてお話をうかがいました。


母屋座敷玄関

「昔は酒屋さんなどの旧家が芸術家たちを応援するパトロンのような存在でした。大分の豊後竹田(ぶんごたけた)出身の南画の大家だった田能村竹田(たのむらちくでん)が幾度となく富春館を訪れていて。帆足家は農業や酒造業を営みながら、竹田をはじめ芸術家たちを応援した家でした。富春館は文人画を楽しむ人たちのサロンとなっていきました」


酒造景観

「主人が15代目で、私はたまたまそこにお嫁に来たのですが、大分で唯一残された古い街や佇まいがそのままその場所にあり、たくさんの方に文化と歴史が大分にあるということを知っていただきたくて一般公開を始めました。最初は見ていただくだけでしたが、その内、どうしたらこのタイムスリップしたような空間に何度も訪れてただけるかなと考えて。大分市美術館が建設に当たって、帆足家にあった田能村竹田の作品を美術館に収めました。同時に西日本一大きな酒蔵だったということで、大分市の有形文化財になったのです。それをきっかけに修復と保存が進みました」


レストラン正面入り口

「芸術家を応援して来た家だったので、文化を継承しているようなクリエーターの人たち、現代の物作りの人たちを、昔と形は違うけれど、応援していければという気持ちが延々と残っていて。今、こうやってクリエーターの人たちと出会って、そういうものを皆さんに理解してもらえるようにしたいと。母屋は掛軸を虫干しにしたり、絵描きの人たちが逗留した場所なので、そこが一番ギャラリーとしてふさわしいのではと思いました。12代目が建てた離れもギャラリーとして使っていますが、母屋全体を使って展示会などを開催しています」


ステンドグラスの窓のあるレストラン


レストランで提供されている“元気が出るゴボウ弁当”

「帆足本家がある、戸次(へつぎ)は、ミネラル分の多い肥沃な土地で、ゴボウや里芋など根菜類が多く獲れる産地。戸次ゴボウというのですが、ゴボウ弁当を作ったりしています。大正時代の洋館が敷地内にあって、そこをレストランとして、ゴボウなど地元の野菜を中心にしてお弁当スタイルで提供しています。帆足家に伝わる古い器を使いながら、地産地消となるような食品を入れて。お酒もそうですが、今ブームになっている発酵食品も当時からよく食していたので、食文化も継承したいということで、富春館のレストランでは発酵玄米や味噌や麹とゴボウを組み合わせたヘルシーな田舎料理を提供しています」


庭から見た蔵

「今回のイベントでは、ゴボウのものとか、昔ながらの基礎調味料とか、大分の地元の産物などを出品します。帆足本家に綺麗な螺鈿や蒔絵などがあって、それをお菓子のパッケージデザインにして。もちろん芸術家を応援している家なので、クリエーターさんたちの作品なども出品します。吹きガラスや彫金のカトラリーなどの工芸、陶芸。生地から手作りした洋服。ろうけつ染めや手仕事の織りなど人の手のぬくもりが伝わるものです。それを現代に伝えていきたいということで、ご縁があったクリエーターたちの中からチョイスして衣食住すべてをテーマにしています」

庭の鹿の置物

「会場にはクリエーターたちが集まってきます。物を作っている人が自分の作品をどのようなプロセスでどんな思いで作っているかを作家自身が皆さんに会場でご説明することで、物作りの大切さをより深く知っていただけると思います」

LIFE&DELI 富春館 入口

地域の風土や文化を継承しながら、未来へと繋ぐ、帆足本家。アーティストたちのエネルギーが宿る手仕事や大分の地産の食に触れ、古き良き時代の日本の文化を感じ、味わってみてはいかがでしょうか。


帆足本家の台所美術館展
◎5月11日(水)~31日(火)
◎6階 コトコトステージ61・プロモーションスペース61

※5月9日(月)午後12時公開予定


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