秋の「たけのこ」?!それは「四方竹」
【伊藤由香-小さな食憶-】
秋は何かと忙しい。柿に栗や黒大豆枝豆。ちょっとだけの松茸も「今年初だ」と香りに酔い、深まり移り行く秋とともに、秋の味覚を美味しく有難くいただいております。
秋の「たけのこ」も、そのひとつ。
先週ついに待っていた時が来ました。店頭でも並び始めましたよ!
そう!秋のたけのこ「四方竹(しほうちく)」です。高知県の一部の山里地域でしか栽培収穫されていないという貴重なもの。さらに食味や鮮度維持も難しく、数年前まで県外になかなか出回ることがなかったというのですから、「秋に?」「たけのこ?!」となるのも無理はないですよね。
しかも!!!!なんと出回る期間は、10月中旬からほんの僅か。幻とも言える、秋のたけのこなのです。
朝採りされた四方竹は、その日のうちに茹でて、皮をむき水にさらして氷に詰めて出荷されるようになり、採れたての味を楽しむことができるように。
切り口を見てみると・・・「□」の形。
この四角形に見えることから、四方竹と言われるそうです。
コリッ、シャキシャキ、心地よい歯ごたえ、ほほ笑むような微かなやさしい苦み。そして僅かな時期しか口にできない、特別感も魅力。
茹でてあるので、そのままサラダはもちろん、煮物、天ぷら、炒め物。また四角の形をそのまま生かした、丸ごと四方竹のステーキや炭火焼きもオススメです。
(写真上は四方竹とピクルスにしたミョウガを、粒マスタードとオリーブオイルで和えたもの)
10月21日(土)は生産者の方々が、四方竹のポン切り煮と天ぷらの試食のご用意と合わせて紹介予定とのこととお聞きしました。味わうには嬉しい機会です!!今年は天候などの影響で、例年よりも収穫量が少ないそうです。並んでいる間がチャンス!見かけたらぜひお試しくださいね。
形を活かしてボリュームある一品に。
四方竹の豚肉巻きのピリ辛焼き
材料(2人分)
四方竹 4本
豚バラ肉 8枚
[A] 酒、みりん、しょうゆ 各大さじ2
砂糖、豆板醤 少々
作り方
〔1〕四方竹に豚バラ肉を巻き付ける。
〔2〕フライパンを熱し、豚バラ肉の巻き終わりを下にして、四方竹を転がしながら四方焼く。
〔3〕[A]を加えタレを煮絡める。
少し大きめに切って、歯ごたえを感じる。
四方竹とお揚げさんの煮もの
材料(2~3人分)
四方竹 4~5本
揚げ 大判1枚
人参 適宜
[A] だし汁 300㏄ 砂糖 大さじ1/2 みりん 大さじ2
薄口しょうゆ 大さじ2
作り方
〔1〕四方竹は食べやすい大きさに切る。揚げは短冊切りにする。
〔2〕[A]を入れた鍋に、四方竹と揚げを入れ火にかける。沸いたら弱火にし15分程煮る。
〔3〕紅葉型に抜いて、薄切りにし茹でた人参を飾る。
親子セミナー
10月31日(火)のテーマは「栗」です。お目にかかれますこと楽しみにいたしております。
11月は20日(月)を予定しています。
キッチンステージ
12月5日(火)は、兵庫六甲こだわり野菜の会の生産者の方と、旬の野菜をご紹介予定です。

<プロフィール>
伊藤 由香 (いとう ゆか)
野菜ソムリエプロ
百貨店・食品メーカー講師、レシピ提案等で活躍中。
長年西洋料理を学んだ後、野菜ソムリエに。旬の野菜を使った食のセミナーはもちろん、自身の子育て経験を生かしたレシピ提案など、親子でできる野菜・果物の特徴を活かしたメニューを得意とする。
- ※表示価格は消費税を含んだ税込価格です。商品売り切れの節は、ご容赦くださいませ。
- ※記事に掲載されたイベント情報や商品は、掲載中または掲載後に売り切れ・価格変更・終了する場合がございますのでご了承ください。