◎1F
冬の夜が美しい12月。
毎年、森林浴のように静寂な香り漂うレッスンにて作らせてもらうお気に入りの素敵なリースと、日没と共に自宅の小さなクリスマスツリーを点灯させることはささやかな12月の喜びです。
寒さをぐっと実感するようになりました。
収穫させてもらった父の大根も味がのってきたようです。
間引きから一か月程で立派な大根に成長していました。
店頭も立派な大根が並びます。
白菜、ネギ、水菜にかぶ、大きい葉付き大根を持ち帰らせてもらえば
保存のスペースが限られている野菜室は嬉しい悲鳴。
太陽の光を受けて育った大根葉は、緑黄色野菜並みにビタミンA、C等栄養が豊富。
葉付き大根の場合は出来るだけ早目に根の大根と切り離しての保存がベストですが、葉の周りが黄色くなるのが思いのほか早く、大きく成長した葉は少しチクチクとして扱いにくかったりします。
無駄なく使いたいと色々試した結果、洗って、しっかり水気を切り、小口切りにしできるだけ保存袋へ平らにして入れ冷凍保存する方法が使いやすく私は気に入っています。
大根は上部、中部、下部によって違う「味わい」「水分量」「栄養素」。
煮中、漬け尻、生頭(かしら)とも言われるように、上部は甘く水分量少なく硬さがあるのでサラダや大根おろしに。
下部は辛味が強いので辛味大根としておろしに使ったり、お漬物に。
そして、水分が豊富で太さが揃う中部をは煮物に最適な部分。
煮る等柔らかく仕上げると決めている時は、冷凍により繊維が壊れ早くやわからくなるので料理にふさわしい大きさに切って保存袋に入れ冷凍保存もひとつです。保存の悲鳴も解決です。
因みに消化酵素は下部の方が多く、ビタミCは上部や皮、または皮に近くになるほど多く含まれます。
いずれも熱に弱いので生食がオススメ。
また、抗酸化、抗菌、整腸作用等で期待されている細胞壁を壊すと生成される辛味成分のイソチオシアネートは辛味多い部位ほど含まれる量も多いと言われます。
意識したい時は、大根おろしもは皮も一緒にすりおろすのも一つです。
大根を丸ごと堪能できるお気に入りの一品です。
圧力鍋で茹でると時短な上、皮もお箸で切れる程柔らかく仕上がりじゅわっと出てくる水分から優しい大根の甘さを味わえます。
じっくり揚げると大根の水分が程よく抜け、うま味を強く感じることが出来ます。
寒さと共に冬野菜が美味しくなってきましたね。
■揚げ出し大根
(材料)
・大根の中部→2~3㎝厚さの輪切り×2または3個
・大根の上部→おろして軽く水気を切る
・大根の葉→小口切り
A 出汁 200ml
塩→ひとつまみ
薄口しょうゆ、みりん→各大さじ1又は薄めためんつゆでも可
(作り方)
①輪切りにした大根は竹串がすっと通るまで茹でる。水気をふき取り、米粉を薄くまぶして、170℃の油で表面色付くまで揚げる。または、輪切りにし160℃の油でじっくりと揚げ竹串がすっと入れば170℃に上げ色付くまで揚げる。
②Aを煮立て、大根葉を加え、揚げ大根を入れた器に注ぎ大根おろしをのせる。一味を添えて完成。
<プロフィール>
伊藤 由香 (いとう ゆか)野菜ソムリエプロ百貨店・野菜ソムリエ協会講師、レシピ提案等で活躍中。長年西洋料理を学んだ後、野菜ソムリエに。旬の野菜を使った食のセミナーはもちろん、自身の子育て経験を生かしたレシピ提案など、親子でできる野菜・果物の特徴を活かしたメニューを得意とする。