道を歩けば、庭先のミモザが満開を迎え、輝く黄色の花が元気を届けてくれます。桜の蕾も膨らみ始め、春爛漫の季節もすぐそこまで来ています。この時期、青果売り場を鮮やかに彩るのが、いちごと並んで元気カラー、オレンジや黄色の「柑橘」たちです。柑橘大国・愛媛県のマーケッや産直市場を訪れると、一面がオレンジ色に染まる光景に圧倒されるほど。
売場ニュース
江戸時代から続く「温州みかん」「いよかん」「八朔(はっさく)」といったお馴染みの顔ぶれに加え、現在は交配による新品種との出会いが増えました。出会った品種のルーツを辿ることは、その魅力や個性を知るきかっかけに繋がります。
なかでも、温州みかんの宮川早生とトロピタオレンジから誕生した「清見」は現代の柑橘界における偉大な「家長」と言えるかもしれません。今私たちが目にする多くの人気品種の親、あるいは祖父母、そのまた相曽祖父母としてこの清見の血筋が関わっていることが多いのです。薄皮薄く果汁たっぷりの果肉。爽やかで華やぐオレンジの甘い香り、みかんの良さを受け継ぎ皮が手でむけ種が少なく食べやさ。この「清見」の誕生って凄い!!!以降、不知火(しらぬい)/デコポン、せとか、はるみなど多くの人気品種の親となっています。
12月~1月上旬にかけてわずか1ケ月間ほどしか市場に出回らない「紅まどんな」。ゼリーのようにとろける果肉と、あふれる果汁が多くの人を虜にしている高級品種。この「紅まどんな」は天草と南香の交配から生まれていますが、そのルーツを巡れば清見に行きつきます。
さて、昨年、本格市場デビューしたばかりの期待の新星。3月から4月上旬に食べ頃を迎える「紅プリンセス」です。あの「紅まどんな」と「甘平(かんぺい)」を交配し、17年もの歳月をかけて誕生した愛媛県のオリジナル品種です。時折見せる、てっぺんが少し盛り上がった愛らしいフォルムには、ルーツのひとつである「不知火」の面影も感じられます。
この度、初めて紅プリンセスを口にさせていただきました。一口食べれば、ゼリーのようにとろける食感と、口いっぱいに広がる濃厚な甘さ。もはやスイーツと呼びたくなる贅沢な柑橘でした。まだ生産量も限られているようですが、これから春のギフトや自分へのご褒美スイーツとしての新定番になる予感がします。希少な品種に出会え喜びひとしおでした。これからの紅プリンセスの存在に期待が高まります。
さぁ、西宮阪急の売り場には楽しい柑橘がグラデ―ション豊かに並んでいます。
春先になり酸味が程よく角が抜け、まるみのある酸味へと変化した文旦は、2月とはまた違う穏やかな表情を見せてくれます。先月下旬には4階コトコトステージでは可愛い手で絞ったフレッシュジュースを楽しみました。その鮮やかな深紅色と力強い香りで笑顔がこぼれる時間でした。柑橘の魅力は味だけではありません。皮を剥き、食べ終わった後に指先に残る「心地良い天然のアロマ」。是非深呼吸して、その余韻まで楽しんでみてください。
酸味と甘みのバランス、色、香り、、、今のあなたにぴったりの「お気に入り」を見つけに、売り場へ足を運んでみませんか。
<プロフィール>
伊藤 由香 (いとう ゆか)野菜ソムリエプロ
百貨店・野菜ソムリエ協会講師、レシピ提案等で活躍中。長年西洋料理を学んだ後、野菜ソムリエに。旬の野菜を使った食のセミナーはもちろん、自身の子育て経験を生かしたレシピ提案など、親子でできる野菜・果物の特徴を活かしたメニューを得意とする。
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