◎4階 えほんのへや
くまくんこぐまくんと味わう、おいしい秋のススメ
大きなくまくんと、小さなこぐまくん。
仲良しのふたりが繰り広げるお話です。
前作の『くまくんこぐまくんのバナナやさん』で出会ったときから、私はこのふたりが大好き。
体の大きさも、得意なことも、好きなものも違うけれど、いつもお互いを思い合っているふたり。
そのやりとりがなんともあたたかくて、読んでいるこちらまで、やさしい気持ちになります。
そんなくまくんとこぐまくんが、今度はおいもほりに出かけます。
スコップを持って、バケツを持って、仲良くふたりで畑へ向かいます。
「きょうは ふたりで おいもほり
♪くまと こぐまで おいもほり〜
♪おいも ほりほり おいもほり〜」
たくさん、たくさんとれた、さつまいも。
くまくんは「きょうはてんぷらに しようね。てんぷらが いちばんおいしいよね」と言いますが、こぐまくんは「え? やきいもが いいよ。やきいもが いちばんだよ」と、お互いにゆずりません。
「そうしよう」
ふたりは、みんなに聞いてみることにしました。
- さるくんに聞くと、「そりゃあ だいがくいもでしょ」
- わにさんに聞くと、「おいもチップスがぱりぱりしてうまいなあ」
- チーターさんたちからは、「おいもごはん!」「スイートポテト!」と、また別の答えが返ってきます。
聞けば聞くほど、いろいろな「いちばん」が出てきます。
さあ、ふたりはいったいどうしたのでしょう。
てんぷらとやきいもで一歩もゆずらなかった、くまくんとこぐまくん。
けれど、だれかに聞いてみることには、ふたりとも大賛成。さっきまでの言い合いはどこへやら。
もうすっかり、いつもの仲良しに戻っています。
そしてどうやら、ふたりはいいことを思いついたようです。
ここからの展開が本当に楽しくて、読んでいると思わずにこにこしてしまいます。
乾栄里子さんの軽やかで楽しい言葉にのって、物語はどんどん進んでいきます。
そこに松田奈那子さんの絵のかわいらしさと、ユーモアあふれるチャーミングさが重なって、物語をますます魅力的にしています。
最後には、みんなそれぞれの大好きなおいも料理を作って、大きなテーブルを囲みます。
みんなで「おいしいね」と味わう姿の、なんともうれしそうなこと。
くまくんとこぐまくんも、おなかいっぱい、大満足です。
好きなものが違うからこそ、楽しみも、おいしさも、こんなに広がっていくのかもしれません。
<プロフィール>
絵本のつなぎて ふわはね(内田祐子)
絵本を描く人作る人読む人読んでもらう人を繋ぎたいと関西を中心に活動を続ける。絵本で作る扉や広がる世界を楽しもうと絵本の紹介や絵本がある暮らし、親子の時間が楽しくなる発信をと綴るインスタグラムは子育て中のお母さんや幼児教育に携わる先生方に支持される。