◎HANKYU BEAUTY
サステナブルビューティーが加速するフランス
パリ在住のマリ・クレール パリ特派員 須山さんによるパリのホットなビューティー情報をお届け
前回の記事はこちら>>
フランスはオーガニックビューティー、ヴィーガンビューティー、クリーンビューティーなど、常に美容の最新の流れを作り出してきましたが、近年では美容におけるサステナブルがほぼ定着してきている印象を受けます。最終回の今回は、そんなフランスの美容の現場をお届けします。
2023.4.6
◎HANKYU BEAUTY
パリ在住のマリ・クレール パリ特派員 須山さんによるパリのホットなビューティー情報をお届け
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フランスはオーガニックビューティー、ヴィーガンビューティー、クリーンビューティーなど、常に美容の最新の流れを作り出してきましたが、近年では美容におけるサステナブルがほぼ定着してきている印象を受けます。最終回の今回は、そんなフランスの美容の現場をお届けします。
OH MY CREAM(オー マイ クリーム)の店内
■自然派は当たり前、クリーン、ヴィーガンからウォーターゼロ、アップサイクルの時代に
フランスの美容セレクトショップ「OH MY CREAM(オー マイ クリーム)」は独自の数十種類に及ぶブラックリストを採用し、クリーンなブランドのみを厳選して消費者から支持を得ている人気のショップです。現在フランスに25店舗を展開し、イギリスの敏感肌向けオーガニックブランド「PAI(パイ)」やニュージーランドの「ANTIPODES(アンティポディース)」、アメリカの「HERBIVORE BOTANICALS(ハービヴォア ボタニカルズ)」、植物ベースのフランスブランド「ROWSE(ロウズ)」など、スキンケアからインナーケアまで60ブランドを展開しています。
動物由来を使用しないヴィーガンコスメもかなり多く、ヘアケアの「CUT BY FRED(カット バイ フレッド)」や自社農園の素材を使用する「ulé(ウレ)」など、最近では水を一切使用しないコスメブランドも多く出てきています。デパートのコスメコーナーには、固形石鹸タイプのシャンプーやコンディショナー、更に石鹸の泡を使ったフェイスマスクなども登場しています。
プランタンデパートの固形石鹸コーナー
また、捨てられたコーヒーカスや消費されない果物などを使用して作るアップサイクルのブランドも増えてきています。「KADALYS(カダリス)」は規格外のバナナを使い、リップバームやフェイスオイル、クレンジングなどの商品を作るブランドとして注目されています。
KADLYS(カダリス)は2023年コスモプロフ・ボローニャでオーガニック分野で賞を受賞
■容器のリサイクル、リフィル、プラスチックゼロの動き
商品だけでなくパッケージのあり方も変わり始めています。ボトルはプラスチックをやめ瓶へと変わり、リフィルの販売をスタートするブランドも増えています。
フランスの「WHAT Matters(ワット マターズ)」は洗剤からボディソープまですべてリフィルを扱っているブランドとして注目されています
人気のaime(エイム)もフェイスオイルやクリームのリフィル販売をスタート
イタリアの「Irene Forte(イレン フォルテ)」は中側のみレフィルのボトルを入れ替えて使用が可能
■店内での充填サービスや手作りコスメのショップも充実
「Mademoiselle Bio(マドモアゼル ビオ)」や廃棄物ゼロを目指すコスメブランド「COZIE(コジー)」では、店頭で商品を選び、自分でボトルに直接充填するサービスが開始されています。
オリジナルブランドのシャンプー、ボディソープ、デリケートゾーン専用ソープなどが充填できるMademoiselle Bio(マドモアゼル ビオ)の店内。
COZIE(コジー)では化粧落としやハンドクリーム、フェイスクリーム、歯磨き粉などが3種のサイズで量り売り
ナチュラル志向のパリジェンヌは手作りコスメを自宅で作るため、必要なキャリアオイルなどの素材を購入できるAROMA ZONE(アロマ・ゾーン)へ通います。店内はほぼ全ての種類のアロマエッセンスからベジタブルオイル、更にヘナやクレイなど手作りコスメに必要なパウダーや有効成分などが全て揃う夢のようなお店なのです。
冷蔵庫にずらりとならぶフローラルウォーター
アロマオイルはA-Zで並べられており、アロマオイルバーはもちろん量り売り
自分に必要な成分やオイルの知識をしっかり調べて、無駄な買い物をしないというのもパリジェンヌ流の消費の仕方かもしれません。
今後、ますます自分のために、地球のために、より良い選択をしていく美容の流れが、フランスから世界へ広がっていくことを願っています。