和歌山大莫小では、アメリカのヴィンテージをオマージュしたプロダクトや世界初の機能性素材のTシャツをリリースするなど、その懐の広さは群を抜く阪和。それもそのはずで、アパレル界では繊維の百貨店と呼ばれ様々な素材を取り扱っています。今回は代表・南方貴博さんの交友関係からイタリアの老舗シャツ地メー カー、Albini(アルビニ)社の紡績部門であるI Cotoni di Albini(アイコットーニ社)をパートナーに招き、エレガンスへ と舵を切りました。
「I Cotoni di Albini代表のフランチェスコさんとはゴルフに行く仲で、1年くらい前に、これからは布帛だけでなく カットソーにも力を入れていくという話を聞いていたんです。それからしばらくして和歌山大莫小のタッグ企画が持ち上がり、タイミング的にピッタリだなと。I Cotoni di Albiniの糸でヨーロピアンテイストなTシャツが作れたら面白いと思ってお願いしました。」と南方さん。今、シャツ業界では、生地を布帛から編み物へシフトする動きが進んでいます。イージーケアなニット製のノンアイロンシャツを選ぶ人も増えているそうで、イタリアの名門が力を入れるのも当然の流れなのかもしれません。「確かにそういうメーカーは増えてますね。フォーマルの需要が減って、 ビジネスの場でもニットウェアの方が多くなりました。」(南方さん)
きっかけがラウンドだったから、と言うわけではないですが美しく刈り揃えられたグリーンのような淡いグリーンのTシャツができました。原料はバイオフュージョンメランジゴッツという昨年の9月にリリースされたばかりの糸。「バイオフュージョンは、I Cotoni di Albiniと、ニュージーランドを拠点とするテック企業のオリテイン社がパートナーシップを組んで生産するオーガニックコットンです。」とフランチェスコさん。すべての綿には土壌組成などの環境要因によって地域毎に異なる微量元素が含まれており、それを指紋のように採取&識別することで、産地の特定が可能になるという脅威のトレーサビリティサービスを採用しています。
メランジは混交という意味で、原綿の状態で染められたタンザニアオーガニックと、生成りのアメリカ製スーピマオーガニックをブレンドし立体的な色味を表現。I Cotoni di Albiniは、高級メゾンとの取引が多く、常に高い品質が求められます。綿の選定や配合など染色の前段階にも様々なノウハウがあり、その蓄積により、オーガニックの厳しい基準をクリアしつつ、鮮やかなカラーが出せるのだと いいます。ちなみに本シリーズは51色で展開されており、今回はバイオスマトラというカラーが使われました。