◎9月24日(水)〜10月7日(火)※催し最終日は午後6時終了
◎11F きもの売場 イベント2
自然と寄り添って暮らし、地元で取れる植物から染められる草木染めは、今も各地で個性豊かな織物を生み出しています。
本展では「紅」と「紫」という、古から現代もなお日本人の心を魅了し、親しまれてきた色(カラー)にフォーカス。
「紅花染」「紫根染」といった植物を原料とする天然染料を用いた伝統的な染色技法から生まれた染織品をご紹介します。
【紅花(べにばな)染め】
キク科ベニバナ属の植物である紅花の花弁を原料とする染色技法で
古代エジプトではベニバナで染めた布が発掘されており、シルクロードを通って日本に渡来し、平安時代に入ると各地で栽培されていました。
現在では紅花は山形県の県花ともなり、
県南部を中心に紅花染めの様々な染織品も作られています。
山形県米沢市のよねざわ新田工房は、1884年創業の紅花染と米沢織の織元です。
米沢織は、上杉鷹山が殖産振興策として推奨したのが始まりで、よねざわ新田工房もその流れを汲んでいます。
1963年、かつて地元で盛んに栽培されていた紅花との出会いをきっかけに、先々代夫妻が苦労の末染めの技法を復元し、紅花染めに取り組むようになりました。
紅花を自家栽培し、その紅花を使い、糸染めから織りまでを一貫生産しています。
現当主 新田源太郎氏は日本工芸会正会員であり、米沢の伝統織物「米沢平」や紅花紬のものづくりの若き担い手として知られています。
【新田源太郎氏】
「新田工房」紬着尺(原反・絹100%)各243,000円
色々な媒染方法により、多彩な色合いの糸が染めあがります。
先染めした糸を一本一本組み合わせて文様を織っていくことで
後から染めた物とは違った、どこか温かみがあり
それでいて織り物独特の繊細な風合いが感じられます。
【紫根(しこん)染】
シソ目ムラサキ科の多年草「ムラサキ」の根から抽出する色素をもちいて染める「紫紺(しこん)染」。藍染め・紅花染めと並んで、日本において古くから行われてきた染色技法のひとつです。
かつて奈良・平安期には、自然染色は王朝の色、貴族の色を象徴していました。冠位十二階で一番上の地位「徳」を表す色、紫は二ホンムラサキ草の根から染め出したものでした。
現在は東北の岩手・山形・福島などを中心に染色技法が継承されています。
紫根染め着尺(原反・絹100%)638,000円
売場では染織家の作品を含む、現代の紅と紫の染織作品をご覧いただけます。
長い染織の歴史や制作過程を経て出来上がったきものや帯から、2つの色の奥深い魅力をぜひ感じてください。
この他、阪急うめだ本店11階きもの売場では、
留袖や訪問着などの礼装きもの、振袖やこどものお祝い着、
名工や有名工房が手がける作品や紳士きもの、
カジュアルな装いまで幅広く取り揃えております。
リユースきものショップや履物や和装小物の老舗専門店、
きもののお手入れやご相談を承る悉皆屋まで
多彩な品揃えとサービスで皆様をお迎えいたします。
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