◎4月1日(水)〜4月14日(火)
◎7F コトコトステージ71
過去を「解く」ことで敬意を払い、傷を「継ぐ」ことで新たな景色を生む。 時を止めたものに再び呼吸を与える、モードな再生(Re-Mebuki)の提案。
Fumika ― 知性を纏う ―
Fumikaは、着物を再生することで生まれる、現代のためのアパレルブランドです。
それは、ただ美しく装うことではありません。布の来歴、職人の手仕事、文化の背景。その成り立ちや意味を「知った上で」選び、まとうこと。Fumikaという名は「文香(ふみか)」に由来します。文字を知り、文化を理解し、世界を認識すること。その静かな知性が、ほのかに香り立つようにという願いを込めました。
着物は、自然から生まれた衣服です。蚕から糸を引き、草木から色を煮出し、人の手で染め、織り、縫い、仕立てる。そこには、幾重にも重なった時間と祈りがあります。絹は冬にあたたかく、夏に涼しい。天然素材は肌にやさしく、植物染料は本来、暮らしとともにあったもの。それは自然とともに呼吸する衣服でもあります。しかし今、着物は静かに失われています。何世代も受け継がれてきた布が、知られることなく廃棄されている現実。同時に、現代のアパレル産業もまた、過剰な生産と廃棄を繰り返しています。Fumikaは、着物の再生というかたちで、この問いに向き合います。ただ服をつくるのではなく、時間や記憶、手のぬくもりごと纏うこと。それは、何を選び、どう生きるかを静かに語る選択でもあります。丁寧に染められ、織られた着物は、何十年も着ることができます。植物染料だからこそ生まれる一期一会の色。お直しを重ねながら、時を纏う服。Fumikaは、日本の手と知恵と技を壊すことなく、現代の暮らしの中に息づかせることを目指しています。静かな品格を、まとうために。
「旅するスーツ」
男性のために仕立てられてきた渋く力強い布、大島紬。その重厚さをあえて女性の身体に纏わせることで、静けさのなかにある強さと、凛とした美しさが際立ちます。Fumikaが選んだのは、古いアンサンブルの大島紬。黒に近い深い色味、繊細な絣模様。そして、驚くほど軽く、風を通す着心地は、まさに春夏の旅にふさわしい一着です。シルエットは、現代の空気感を意識したゆとりあるオーバーサイズ。構築的でありながら、動きのなかに柔らかさが宿るラインは、ふと立ち止まりたくなるような静かな存在感を放ちます。内側には、当時の着物の裏地をそのまま使用。時の記憶がそのまま残る、Fumikaらしい「命の継承」です。このスーツはただの装いではありません。日常を離れて旅に出るとき、内なる静けさとともに歩くための、もう一つの風景でもあります。
「よみがえる鶴」
かつて晴れの日に纏われた、白地に鶴が舞う華やかな打掛。その一着に込められた「祝福」や「祈り」を、現代の感性で再構築したドレスが「よみがえる鶴」です。象徴としての鶴──長寿・繁栄・平和を願う日本の美意識。この打掛の柄には、かつて誰かが未来へ託した思いが織り込まれていました。
fumikaはその物語を受け継ぎながら、まったく新しい命のかたちへと変化させました。
立体的な襟と構築的なシルエットは、鶴の羽ばたきを彷彿とさせ、古典と前衛が共鳴するような力強さとしなやかさを備えています。豪華さの中にも静けさがある。それは、装う人の内面の強さと、時代を超えてなお美しい伝統への敬意。このドレスは、単なる装いではなく、忘れられかけた美の再生であり、日本の文化と未来への希望をそっとまとう一着です。
※期間中展示予定(こちらのドレスの販売予定はございません)
※展示作品は変更になる場合がございます。あらかじめご了承くださいませ。
「プレート皿 / モダン金継ぎカトラリーレスト」
作家プロフィール
鴨下 知美 (Tomomi Kamoshita)
陶芸家
東京の工房にて形と色をテーマに陶器や立体作品を制作。
国内外での個展やワークショップなどで活動。
日本伝統の金継ぎを新たな技法として生かした
モダン金継ぎの作品も展開。
※記事に掲載されたイベント情報や商品は、売り切れ・変更・終了する場合がございます。
※売り切れの節は、ご容赦ください。
※表示価格は、消費税を含んだ税込価格です。