◎7月1日(水)〜7月13日(月)※催し最終日は午後5時終了
◎8F コンテンポラリーアートギャラリー
山口真人による新作《Consent Reality》は、自身が設計したオリジナルキャラクター《LUNA》の3Dモデルを基にしたオリジナルミュージックビデオの映像断片を、絵画として描き起こすことで、バーチャルなイメージをフィジカルな作品へと変換する試みです。
「Consent Reality」には「現実への合意」という意味に加え、「回路の混線」といったダブルミーニングが込められており、絶えず情報が交差する現代のノイズに満ちた日常や、その中で感じる孤独、接続し続けることによる違和感といった、未来の日常に潜む新たな感覚や不安を描き出そうとしています。
近年のAI技術の急速な発展により、バーチャル空間のイメージはかつてない実在感を獲得しつつあります。これは、山口が長年提唱してきた「TRANSREALITY®(現実の変換)」という世界観が、より現実味を帯びてきたことを意味します。かつてはフィジカルとバーチャル、オリジナルとコピーといった区分が重要視されていましたが、現在、その境界線は曖昧になっています。山口は、 あえてバーチャル空間に存在するイメージを積極的に採用し、 その断片をアーカイブする手段としてフィジカルなペインティングを選択しています。
そもそもTRANSREALITY®とは、現実を別の現実へと変換する思考プロセスであり、仮想空間もまた一つの現実として捉える考え方です。そのため、何がオリジナルであるかといった問いは、彼の思想においては本質的な問題ではありません。
本展は、 そのような価値観の変化を示す試みでもあります。 既発表作品の再展示と新作《Consent Reality》の初公開という構成は、 山口がこれまで辿ってきた TRANSREALITY® / SELFY の系譜と、 《LUNA》《Consent Reality》にて示されるその現在地とを、 同じ場で対照することを意図しています。 本作の絵画作品は、 描かれる感情の断片をフィジカルなメディアへと定着させる試みであり、 仮想空間に出現したイメージを物質的にアーカイブする実践でもあります。
本展では、 2025 年に JUNCTION HARAJUKU にて開催された個展《SELFY: I'M IN TRANS》、 および 2026 年に Frame Gallery / Tokyo にて開催された個展《TRANSREALITY®》にて発表された作品群を、 コレクター各位の協力のもと再展示いたします。 あわせて、 山口の新作《Consent Reality》から 4〜5 点を初公開します。
「Consent Reality A」
Acrylic on canvas
H800×W650mm
2026
■山口真人|Masato Yamaguchi
© Masato Yamaguchi / TRUEFALSE
山口真人 は、 90 年代東京の音楽・ファッション・デザインに影響を受けながら活動するアーティストです。
2019 年に Independent Tokyo グランプリ受賞をきっかけにアーティストへ転身し、 同年、 個展《Trans Reality #1 Digital Objects》(Turner Gallery / Tokyo) にて TRANSREALITY® (現実の向こう側の現実) の概念を発表しました。
翌 2020 年には《Trans Reality #2 INTO MATERIAL》(GINZA TAKAGI BUILDING / Tokyo) を開催しています。
2020 年からは、 SNS 時代における 「自撮り画像」 を現代の肖像画として位置付ける作家コアコンセプト 《SELFY》 を本格始動。 描かれてきたのは実在の誰かの顔ではなく、 匿名性の高いキャラクターや加工されたビジュアルでした。 SNS が日常化した現代において、 自己はもはや実在の身体ではなく、 他者の視線と承認を前提に構築される像として存在しています ── 《SELFY》は、 その像を絵画として固定し、 自己の記号化と消費を可視化する仕事です。
2021 年代以降は、 国内外のアートフェアや海外ギャラリーでの展示にも継続的に参加してきました。 Art Fair Tokyo (2022、 2023)、 ART BUSAN 2022 / Art Busan 2024、 ART TAIPEI 2022、 Kiaf 2023 (Seoul)、 artKYOTO 2023 などのアートフェアに継続出展してきたほか、 個展《Cinematic: 1.0x》(SH GALLERY SEOUL / Seoul 2024)、《SELFY:完整版》(Cuppar Space / Hong Kong 2022)、 グループ展《NEO JAPAN POPART》(Art Space Helutrans / Singapore 2023)、《BREAK IN EMERGENCY2》(JM Gallery / London 2021) を発表してきました。
また 2023 年には SH GALLERY SEOUL にてキュレーション展《Art Fear®️ Seoul》も企画しています。 アジア圏を中心としつつヨーロッパへも活動の場を広げています。
2025 年からは、 涼森れむ、 初音ミク、 音羽 といった現実世界に存在するインフルエンサーやキャラクターを描く展開へと移行し、 《SELFY》のコンセプトを昇華させてきました。 主な近年の個展に《SELFY: I'M IN TRANS》(JUNCTION HARAJUKU / Tokyo 2025)、《MASATO YAMAGUCHI × REMU SUZUMORI WORLD TOUR》(Bangkok, Seoul, Tokyo 2025)、《"REMIXED BY" × FUKI COMMITTEE》(Tokyo 2024)、《SELFY:完整版》(Cuppar Space / Hong Kong 2022) があり、 アパレルブランド X-girl や Youtuber ヒカル・ReZARD のコレクションデザインなど、 ジャンルを横断する活動も展開しています。
2026 年からは、 TRANSREALITY® を本格的に始動しています。