気温の影響でしょうか、、、。
今年は芽吹いた若葉が早々に枯れてしまい、毎年楽しみにしていた実家の山椒はとうとう実りませんでした。幼い頃から四季の移ろいを感じていた木だけに、少し寂しい思いです。
とはいえ、店頭には今が旬の「実山椒」が並び始めています。この時期を逃すと来年まで手に入らない、ほんのわずかな時期だけの貴重な実りです。
青く未熟な山椒の実は、噛んだ瞬間にピリッと刺激的な辛味と、爽やかな柑橘のような香りがふわりと広がります。日本で最も古い香辛料の一つで、古来より薬用としても親しまれてきました。
手に入れたら、先ずは保存や調理のために欠かせない基本の下処理をします。
実山椒の下処理
①小枝から実を外す。
(口当たりが良くするためなので、小さな軸は目をつぶることもあります)
②沸騰したお湯で7分ほど茹でる。
③ザルに上げて湯を切り、たっぷりの水に1時間さらす。
(確認し痺れるような辛味が気になる時はさらに水にさらす)
④水気をしっかりと切る。
この下処理をした実山椒は、冷凍保存が可能です。
ラップで小分けし、さらにアルミホイルで包んで冷凍庫へ。使いたい分だけ使える便利なストックになります。
昨年ご紹介したちりめん山椒も、これでいつでも気軽に作れます♪
実山椒は、ぬか床に加えれば風味も移り、抗菌作用も期待できます。
また、魚の煮付け、鶏チャーシュー、麻婆豆腐、鍋料理など、さまざまな料理に冷凍のまま加え大活躍。
これから旬を迎える鱧鍋の出汁にも相性抜群です。
今回は下処理した実山椒をさらに使いやすくした「佃煮」をご紹介します。
実山椒の佃煮(作りやすい分量)
下処理した実山椒 70g
酒 70ml
みりん 大さじ3
しょうゆ 大さじ3
①鍋に酒、みりん、実山椒を入れ、中火で蓋をせずに煮る。
②沸騰したら弱火にし、しょうゆを2~3回に分けて加え、汁気がなくなるまで煮詰める。
炊きたてごはんにはもちろん、冷ややっこや、月見とろろにのせて。
叩ききゅうりと和えたり、ちらし寿司のアクセントに少量混ぜたり、と普段の食事にピリッとした辛味と芳香が楽しいリズムをもたらしてくれます。
実山椒の爽やかな香りに包まれて、季節のストックを楽しんでみませんか。
今だけの旬の恵み、是非ご家庭に。
<プロフィール>
伊藤 由香 (いとう ゆか)
野菜ソムリエプロ
百貨店・野菜ソムリエ協会講師、レシピ提案等で活躍中。
長年西洋料理を学んだ後、野菜ソムリエに。旬の野菜を使った食のセミナーはもちろん、自身の子育て経験を生かしたレシピ提案など、親子でできる野菜・果物の特徴を活かしたメニューを得意とする。
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