梅雨入りとともに、急に気温が上がり、ついに今年初めてエアコンをいれました。天気予報では早くも38℃という予報も聞かれ、今年の夏もどうなることやら…少し不安になりますね。
売場ニュース
今、まさに梅の季節。
ですが、季節外れの雹の被害や、昨今の天候不順の影響でしょうか。生産者の方のお話では、せっかく実った梅が大きくなる前に落ちてしまっているとのこと。実に残念なお話です。
年に一度の貴重な恵みである梅。丁寧に大切に頂きたいものです。
さて、いつかは梅干しを漬けてみたいと思っている方もおられるのではないでしょうか。
自分好みの塩加減で仕上げられるのは手作りならではの魅力と楽しみです。実際にやってみると、思っているほどハードルは高くありません。
例えば500g~1㎏程度の量であれば、保存袋を使って手軽に漬けることができます。土用干しまでの約1ケ月間は、冷蔵庫で保管すれば衛生面の心配もぐっと減ります。
まずは「追熟」から
梅干しには、完熟した黄色い梅を使います。
まだ青い梅の場合は、ざるや箱等に並べて窓辺に数日置き追熟させます。ほんのり甘い香りが漂い、やさしい黄色に色づいてきたら、梅仕事のスタートです。
因みに今年は「小梅」を漬けてみました(^^♪。
塩漬けの手順
目安(梅1㎏の場合)
梅: 1㎏
塩: 梅の重量の12~18%
ホワイトリカー: 30ml
①梅を優しく洗い、水気を切ります。一粒ずつ丁寧にふいて、水分が残らないようにします。
②竹串でへたを取り、痛みのある梅は除きます。
③保存袋に梅を入れて、ホワイトリカーを加えて全体に馴染ませてから塩を加えます。
④梅の入った袋をバットにのせ、その上にバットを重ね、梅の重さの1.5~2倍程の重しをして一晩おきます。(小梅の場合は潰れやすいため、重しは梅と同量以下、または無しでもOK)
翌日以降、梅酢が上がっているか確認します。梅全体がしっかり梅酢に漬かっていれば、重しを外し、袋の空気を抜いてチャックを閉じます。
ここまでできれば、冷暗所に置いて約1ヶ月で漬け込み完了です。あとは梅雨明けの晴れた日に「3日間の天日干し(=土用干し)」をすれば、「白梅干し」の完成です。
赤紫蘇を加えない白梅干しは、手順もシンプルで手軽で初めてでも挑戦しやすいです。
土用は7月終わりから8月初めの時期。
土用干しをすることで梅の水分が蒸発されやわらかく、ふっくらとした仕上がりに。さらに風味が凝縮され殺菌効果と保存性を高める為の工程です。ですが、干すことが難しい場合は、干さずにそのまま「梅漬け」として楽しむことができるそうですよ。
赤紫蘇を加える場合
目安(梅1㎏に対して)
赤紫蘇: 100~200g
塩: 紫蘇の重量10% 10~20g
赤紫蘇を加える場合は、土用干しまでに加えます。
①赤紫蘇の葉を摘み、塩(半量)をふってもみ、汁が出たらしっかりと絞ってアク抜きをします。
②同様に2~3回アク抜きを行い、水気をしっかりと絞ります。
③上がってきた梅酢を少量を赤紫蘇に加え合わせ、保存袋の梅の上に広げのせます。梅酢も加えます。
④再び袋の空気を抜いて、梅雨明けの「土用干し」をするまで引き続き保管します。
塩分を控えめにすることが多いく、室内気温が上がる我が家は、土用干しまで梅酢ににごりが出ていないか、カビがはえていないかを時々様子を見ながら冷蔵庫にて保存しています。
(今まで、カビが出た経験はありませんが、その際はその周辺の梅とカビは取り除き、梅を取り出して熱湯をかけ消毒。梅酢は一度沸騰させてから再度漬け直すと安心です)
蒸し暑い季節でも、梅の香りに包まれるひと時は、穏やかな気持ちになれます。「梅はその日の難逃れ」「梅干しは三毒を断つ」とは梅のことわざです。今夏も元気に過ごせますように。
<プロフィール>
伊藤 由香 (いとう ゆか)
野菜ソムリエプロ
百貨店・野菜ソムリエ協会講師、レシピ提案等で活躍中。
長年西洋料理を学んだ後、野菜ソムリエに。旬の野菜を使った食のセミナーはもちろん、自身の子育て経験を生かしたレシピ提案など、親子でできる野菜・果物の特徴を活かしたメニューを得意とする。
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