◎8階「ファッションコンサルティングサービス」
劇場へ足を運ぶ日は、演目と同じくらい「何を着ていこう?」と考える時間も楽しみの一つですよね。
しかし、いざクローゼットを開けると「この格好で浮かないかな?」「長時間座っても疲れない服はどれ?」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
先日、そんな観劇ファッションの迷いを解消する『観劇の装い講座』を開催いたしました。
歌舞伎鑑賞のマナーから装いまで、当日の様子を詳しくレポートします!
Ⅰ、基本マナーと観劇の心得
歌舞伎座は、観客席も含めてひとつの「ハレの場」です。
演者への敬意と、周囲のお客様への思いやりが、その日の鑑賞体験をより一層素晴らしいものにしてくれます。
特に歌舞伎は「音」を大切にする伝統芸能。以下のポイントを意識することで、空間の品格が保たれます。
・「音」への配慮:携帯電話は電源からオフに。マナーモードの振動音も、静寂の中では意外と響くものです。また、上演中のビニール袋の音なども控えましょう。
・「香り」のたしなみ:香水などの強い香りは、お隣の方の妨げになることも。フレグランスは控えめにするのが、大人のマナーです。
・「飲食」のルール:客席での食事は、幕間(休憩時間)に楽しむのが基本です。メリハリをつけることで、舞台への集中力も高まります。
・「視界」への思いやり:後ろの席の方の視界を遮らないよう、高さのある髪型(盛り髪)や帽子は避けましょう。また、開演直前の入退場を控える余裕も、素敵な装いの一部です。
Ⅱ、歌舞伎鑑賞にふさわしい装いとNGアイテム
続いて、皆様が最も気にされる「装い」についてお話しします。
観劇における装いは、単なるおしゃれではなく、演者への敬意、そしてその場にふさわしい「品格」を表現する大切な手段です。劇場の空気を一緒に作る一員として、場をわきまえた上質なスタイルを目指しましょう。
①避けるべき装い(NGアイテム)
劇場の格調高い雰囲気を損なう服装や、周囲の鑑賞を妨げる「音・サイズ」には注意が必要です。大人のたしなみとして、以下のアイテムは控えましょう。
・カジュアルすぎる服装 :デニム、スニーカー、パーカー、Tシャツなど。非日常の場にふさわしい、日常着とは一線を画した装いを心がけましょう。
・過度な肌の露出:極端なミニ丈や露出の多いトップスは、落ち着いた劇場の雰囲気から浮いてしまうため、上品な丈感を選ぶのがマナーです。
・音の鳴るアクセサリー・靴:ジャラジャラ鳴るブレスレットや、歩くたびに響くヒールの靴。静寂も演出の一部である観劇の場では、音の出にくいものが基本です。
・かさばる防寒着・大きな手荷物:厚手のダウンやファー、大きな鞄は座席で場所を取り、周囲の迷惑になることも。クロークを賢く利用するのがスマートです。
②ふさわしい洋装スタイルと「格上げ」のポイント
劇場の雰囲気や京都の美しい街並みに調和する装いは、大人世代の素敵なマナーです。
ポイントは「上質な素材感」と「落ち着いた色合い」。そこに少しの華やぎを加えましょう。
・上質なワンピース:一枚で品格が宿るワンピースは、観劇の強い味方。長時間座ってもシワになりにくい素材(ジャージーやとろみ素材)を選び、Aラインなど体のラインを拾いすぎないものが理想です。ボルドーやグリーン、ネイビーなど、劇場の内装に映えるシックな色調がおすすめです。
・きれいめカーディガン・羽織りもの:温度調節にも欠かせない羽織りものは、ハイゲージ(細かく編まれた)ニットを。オフホワイトやベージュ、淡いピンクなど顔映りの良い色を選びましょう。
ラメやビジューは、光を反射しすぎない控えめなものが上品です。
・洗練されたパンツスタイル:ウールや落ち感のきれいな素材を選び、オフィススタイルと差別化を。ウエストゴム仕様なら長時間の着席も快適です。
ツイードジャケットやシルクブラウスを合わせ、ブローチなどで華やかさを添えるのが品格を保つコツです。
・品格を添える小物使い:パールなど、控えめながらも本物の輝きを放つアクセサリーをプラス。動作の邪魔にならず、音のしないものを選ぶのが観劇スタイルの基本です。
~装いが変われば、観劇はもっと特別なものに~
お気に入りの装いで背筋を伸ばし、劇場の空気と一体になる感覚。それは、観劇という体験をより深く、贅沢なものにしてくれるエッセンスです。マナーや品格を大切にしながらも、自分らしい「装いの魔法」をかけて、ぜひ素敵な一日の幕を上げてください。
今回ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。
また次回の講座で、皆様の華やかな装いにお会いできるのを楽しみにしています!
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