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2023.02.17
売場ニュース
海と山が近く大都市にいながら自然を身近に感じられる神戸。そんな神戸の中心部である三宮で全館リニューアル中の神戸阪急では、モノの情報発信だけではなく、神戸の人の暮らしをイメージして、神戸の人がわくわくするようなライフスタイルを提案する売り場をオープン予定です。その売り場の企画担当である川畑が前編に引き続き、「神戸阪急のWEBマガジンRerere」の編集部と共に、神戸らしいライフタイルを楽しんでいる方たちにお話をお聞きします。
六甲アイランドにある建物の屋上を活用した都市農園「シェラトンファーム」の事務局兼コミュニティマネージャーとして利用者や近隣の方の交流の場づくりをしている江副さんと、これからの百貨店のあり方や役割について語ります。
前編はこちら
六甲アイランドでも三宮でも都市農園は人と人がつながる場所になれる。
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これからの百貨店には、だだモノを売るだけではなくてわくわくするような暮らしの提案やそれを実践する場の提供も機能として必要だと思っていて、神戸阪急も海と山が近い神戸に似合う暮らしの発信の場として、緑があふれる憩いの場があれば地域の方々に喜んでいただけるのではないかと考えています。 |
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周りの環境は違えど、人とのつながりができる場所になることが大切でそこが価値になると思います。一度利用者の方にファームの利用目的についてアンケートを取ったことがあったのですが、「農業への興味」自体が目的の人もいるものの、「利用者さん同士の交流」を目的に参加した人が6〜7割と、とても高かったんです。六甲アイランドもショッピングを楽しんだりレストランに行ったりと「消費」できる場所はありますが、初めて出会う人と話したり、一緒に活動する中で地域の顔見知りができるようなつながりを持てる場所が少ないので、コロナ禍ということもあって人とのつながりを作りたいと希望された方が想定よりも多かったのではないでしょうか。 |
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場所がどこであろうと、地域の人とのつながりを生む場所としては一緒ですね。三宮の真ん中にある神戸阪急周辺もショッピングやレストランやイベントなどの消費する場所はたくさんあるので賑わってはいるものの、人と交流できる場所は少ない気がします。神戸阪急も、ただものを売るだけではなくて店舗スタッフとお客さまやお客さま同士のつながりを生むような取り組みをすることで、地域の活力になる役割を担えるようになっていきたいと思いました。 |
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シェラトンファームにもシェラトンホテルさんがやっている区画もあって、スタッフさんやシェフの方が野菜やハーブを育てています。ディスプレイ用のかぼちゃをみんなで育ててハロウィンの季節にホテルのエントランスに飾ったりしていましたよ。 阪急さんのスタッフも色々な店舗の方もいるし、設備スタッフやお掃除の人とか色々な所属の方がいるので実現すれば社員同士やお客さんも交えて交流が生まれそうですね。 |
シェラトンホテルのスタッフが育てたかぼちゃ。
地域の人が日常的に「食」に関われる拠点を増やしたい。
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シェラトンファームはもうすぐオープンから2年になりますが、今後挑戦していきたいことを教えていただけますか? |
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地域の人がこのファームに関わってもらえる機会を増やすことですね。ここはロケーションとしては最高で、六甲ライナーからも見えるしホテルに泊まっている人からも見えるから、きっと畑があることはなんとなくは気づいているけど、実際にどんな場所か知らない人がほとんどだと思うんです。 |
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ただ、このマーケットだけでは不十分だとも思っています。 |
「食」は人類の一番の共通点。
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最近、神戸でも色々なところで都市農園ができていますが、誰か一人が頑張るのではなく、色々なところで勝手に立ち上がる勢いがあるくらいの方が街としてはいいことだと思っています。これまで「食」に関する仕事にずっと関わって来ましたが、「食」は人類の一番の共通点だと思うんです。人って基本的に胃袋は一つずつあるし、美味しいものを食べたら元気になって誰かに言いたくなるし、人がどんどん繋がって交流が生まれるきっかけになもなります。今後もこういう育てる、売る、食べると「食」の中でも色々ある接点をを増やしていきたいと思っています。 |
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そうですね。今回お話を伺って改めて、これからの百貨店としてはただモノを売ったり買ったりするような消費だけの場所ではなく、ライフスタイルの発信の場として人々のつながりを生んでいくような場になっていきたいですし、それによってより街が活気づくといいなと思います。 |
一般社団法人SAZARE 代表
大学卒業後、全国で飲食店を運営する企業にてプロモーション・イベント企画制作の部署に所属。大阪の商業施設内のレストランフロアの運営ディレクターなどを務める。その後、神戸を拠点に「食」を通した人のつながりを生み出す活動を開始し、2022年2月にSAZAREを設立。六甲アイランドでの都市農園「シェラトンファーム」の運営や、ファンドレイザーとしてこども食堂の中間支援NPO法人の広報活動等にも従事している。
(なるのだ編集室 押谷)