残暑お見舞い申し上げます。
日が暮れるのが少しずつ早くなり、確実に季節は晩夏へ移ろう気配を感じます。
それでも、まだまだ厳しい暑さが続いていますね。
夏休みも終盤に入り、楽しい思い出を胸に、少しずつ日常のリズムを整える頃でしょうか。
立ち寄った旅先や外出先で心弾むのが、季節の恵みです。
真っ赤なとうもろこしをご覧になったことはありますか?
奈良県の種苗会社「大和農園」が開発された品種「大和ルージュ」です。
何と、粒だけでなく、ひげ、芯までも赤色。
見た目のインパクトはもちろん、味わいや栄養面でも魅力いっぱいの品種です。
初めて手にした方は、その輝きに驚かれることでしょう。
赤い色の正体はポリフェノールの一種であるアントシアニン。
水溶性なので、茹でると色素が流れますが、その茹で汁もスープやジュレ等(酸を加えると美しく発色します)色合いを活かすことができます。
一粒、一粒が輝くルージュ色を楽しむなら、蒸すか電子レンジ加熱がオススメです。
甘味とむちっとした粒感を存分に味わえます。
定番の楽しみ方としてはトウモロコシご飯です。
大和ルージュを加えて炊くとまるで黒米を加えたような美しい色合いになり、
モチッとした食感で食べ応えも抜群です。
芯からは色素だけでなく出汁も出るので、是非芯も一緒に加えて炊いてみてください。
トウモロコシは、胚芽の部分に栄養素が集中しています。
手軽に包丁でそぎ落とすし粒を外すのもひとつですが、せっかくならば余す所なく丁寧に外してみましょう。
方法は簡単。
トウモロコシを3~4等分に切り、さらに縦半分に切ります。
そうすると、親指を縦一列に添えて横に倒しやすくなり、胚芽から粒が簡単に外せます。
外した粒は、まるでざくろの宝石のように輝き、とっても美しいです。
大和ルージュに限らず、トウモロコシの出回る旬は短いですが9月にかけて品種が入れ替わりながら店頭に並びます。
トウモロコシはたんぱく質、糖質が主成分ですが、疲労回復が期待されるアスパラギン酸も含まれています。
また玄米や胚芽米同様、胚芽にビタミンE、B群、カリウム、亜鉛、鉄等身体に嬉しい栄養素が詰まっています。
新米の季節も始まりました。
塩味を利かせおむすびにしたトウモロコシご飯は、見た目の美しさと食べ応えで、残暑に負けず元気に過ごす力をくれるはずです。
<プロフィール>
伊藤 由香 (いとう ゆか)
野菜ソムリエプロ
百貨店・野菜ソムリエ協会講師、レシピ提案等で活躍中。
長年西洋料理を学んだ後、野菜ソムリエに。旬の野菜を使った食のセミナーはもちろん、自身の子育て経験を生かしたレシピ提案など、親子でできる野菜・果物の特徴を活かしたメニューを得意とする。
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