◎4階 えほんのへや
立秋もすぎ、暦の上では秋と?!
信じられない暑い日が続いています。
夏休みもそろそろ終わりが見えてきた頃でしょうか。
夏をたっぷり味わった今だからこそ、この絵本の世界にたっぷりと浸れるのではと今回の絵本はこちら『すいかのプール』
お隣の国、韓国の絵本です。
『すいかのプール』
作:アンニョン・タル 訳:斎藤 真理子
出版社:岩波書店
それはこんな始まり
まなつのおひさま あっつあつ。
すいかはすっかり じゅくしてます。
(P1-2本文引用)
真夏のお日さまの下、すっかり熟したすいかが「ちゃっ」と音を立てまっぷたつに。
さぁすいかのプールのプールびらきです。
おじいさんがやってきて、はしごをかけて登ります。
さっく さっく さっく さっく
ふくらはぎまですいかにつかりながら、スイカの上を歩きます。
ぽいっとタネをとってそのあなに肩までつかって・・・。
「うーむ、きもちいい」
えっ!?と思う暇もなく
たっ たっ たっ たっ
子どもたちが水着姿で浮き輪片手に走り抜けます。
現実とファンタジーが入り混じる。
ぴっちゃん ぴっちゃん
みんなで一緒にぴちゃぴちゃすれば、赤くてすきとおったすいかジュースがたまります。
おや、毎年大人気のくもやさんのくもパラソルとあまぐもシャワーが来たようですよ。
いつのまにか山の向こうへと日がしずみ、最後の子が帰るとすいかプールはおしまいです。
今年食べたすいかを思い出しながら私は絵本を閉じました。
初めてこの絵本を見たときのインパクトは今でも覚えています。
すいかのプール?すいかに入るの??すいかに足を踏み入れる??
なんだかいけないことをしているような背徳感と、すいか大好き人間としての夢が叶えられた瞬間の想いが入り混じり、とても複雑な気持ちだったんですが、もう手放すことはできずレジへと足を向けておりました。
想像のなかでは人は自由です。
本の中でその翼を広げ飛び回ることができる人は強いです。
自由な発想は凝り固まった思考をやわらげ、柔軟にしなやかに生きることができる一歩かもしれません。
それは実はとても身近で簡単なことなのかもしれない。
この絵本は私にそんなことを教えてくれました。
現実のすぐ隣にあるファンタジーを楽しめる人になりたいです。
<プロフィール>
絵本のつなぎて ふわはね(内田祐子)
絵本を描く人作る人読む人読んでもらう人を繋ぎたいと関西を中心に活動を続ける。絵本で作る扉や広がる世界を楽しもうと絵本の紹介や絵本がある暮らし、親子の時間が楽しくなる発信をと綴るインスタグラムは子育て中のお母さんや幼児教育に携わる先生方に支持される。
インスタグラム @fuwahane ←こちらをクリック
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