12月22日は冬至です。
古くから冬至の日に柚子をお風呂に浮かべて入ると風邪をひかないと言われてきました。
柚子湯の始まりは銭湯が広まった江戸時代だそうです。柚子そのものは
日本で1000年以上の歴史があり、古くから私たちの暮らしに寄り添ってきた柑橘のひとつです。
柚子の皮に含まれる精油成分には、血行を促し、身体を温め、保湿を助ける働きが期待されています。また、邪気払いの意味も込められており、冬至にはぜひ身体の芯から温まりたいものですね。
さて、柚子は柑橘の中でもビタミンCの含有量がトップクラスを誇ります。
特に柚子の果皮には、果汁の約4倍ものビタミンCが含まれると言われており、高貴な香りとして使うだけではなく、栄養面からも余すところなく活用したいものです。
今回は、見た目にも柚子を主役にした「柚子釜」を使ったアイデアをご紹介します。柚子の香り広がる、今の季節ならではの楽しみ方です。
柚子釜は、上部を切り落とし、スプーンなどを使って中身をくり抜いて準備します。くり抜いた果肉は茶こしやガーゼなどで絞っておくとその後他の料理にも使えます。
柚子釜豆腐
材料
柚子釜 2個
豆乳(無調整) 120ml
にがり 小さじ1/4
①材料を混ぜ合わせ、柚子釜に注ぐ。
②蒸気の上がった蒸し器で10分蒸す。
③しょうゆを少量添え、柚子釜の蓋に残った果汁を搾りながら、熱々をいただく。
柚子釜の丸ごと包み焼き
材料
柚子釜 3個
鶏もも肉 100~120g
しいたけ 2枚
白ねぎ 10㎝ほど
バター 10g
A白味噌 40~50g
柚子果汁 大さじ1
みりんまたは砂糖 大さじ1
作り方
①鶏肉、しいたけ、白ねぎは一口大に切る。
②フライパンにバターを入れて熱し、具材をさっとソテーする(完全に火が通らなくてもよい)。
③ソテーした具材を柚子釜にしっかり詰める。
④柚子釜をオーブンシート、またはアルミホイルの上にのせ、混ぜ合わせたAを具材にかけて全体を包む。
⑤200℃に予熱したオーブンで20~25分焼く。
包みを開けた瞬間に立ちのぼる贅沢な柚子の香りは格別です。具材のうま味と白味噌、バターがしみ込んだ白いワタ部分は加熱によって苦味が和らぎまったり食感に。皮をナイフで切り分け、具材と一緒に味わってみてください。柚子の器まで丸ごと味わえる一品です。
また、上記の柚子釜の上部は今回使わないので、この季節に欠かせない常備菜を作っても。
柚子大根(大根の皮 1/2本分 食べやすく8㎜程のせん切りにしたものを混ぜ合わせたAに漬ける)A【砂糖(大さじ1強)酢(大さじ1)塩(小さじ1/2)柚子果汁(大さじ1)柚子の皮 1/2個分(または柚子の上部2~3個分を細切りにしたもの) 】因みに柚子の皮柚子を少しずつ楽しみたい時は、丸ごとラップに包み冷凍しておくのも手軽で便利です。使いたい時に、凍ったまま皮をすりおろすことができ、半解凍すれば果汁も絞れます。
年の瀬も近づき、何かと気忙しい季節となりました。深呼吸とともに、柚子の高貴な香りと果汁で心身をリフレッシュし、健やかに良い年末年始をお迎え下さい。
<プロフィール>
伊藤 由香 (いとう ゆか)
野菜ソムリエプロ
百貨店・野菜ソムリエ協会講師、レシピ提案等で活躍中。
長年西洋料理を学んだ後、野菜ソムリエに。旬の野菜を使った食のセミナーはもちろん、自身の子育て経験を生かしたレシピ提案など、親子でできる野菜・果物の特徴を活かしたメニューを得意とする。
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