◎4階 えほんのへや
売場ニュース
出版社: 福音館書店
瀬田 貞二 再話
赤羽 末吉 画
今年最後の一冊は昔話から。小学校の教科書にも載るこの有名なお話が、大晦日の日のお話というのをご存じでしょうか。
れはこんな始まり。
むかし、あるところに、びんぼうな じいさんと ばあさんと あったと。じいさんは、まいにち、あみがさを こしらえては、まちに いって、それを うって、くらしていたと。(本文p1抜粋)
ある年の大晦日。
じいさんはばあさんにこう言った。
「ばあさん、ばあさん。きょうは、おれ、かさを いつつもこしらえたから、まちへ いって、しょうがつのもち かってくる。ことしこさ、いいとしをとるべな」ばあさんも、ひぃたいてまってるからと送り出した。
さて、まちへ来たおじいさん。
「かさや、かさや。かさは いらぬか」
ういって。かみちょうからしもちょうへ、しもちょうからかみちょうへ、いくども歩いた。
雪の中、 傘を売り歩くおじいさん。賑やかな年越しの市では魚や米は飛ぶように売れるのに、おじいさんの笠は見向きもされない。そのうちに日がくれて仕方なく売れ残ったかさを背負って戻る途中、吹雪にさらされ、顔からつららをたらした地蔵さまが・・・。
ここからは皆さんよく知るお話なのではないでしょうか。昔話にはたくさんの日本人の姿が描かれています。
もちろん強欲で意地悪なじいさんやばあさんもいますが、慎ましく控えめで心豊かな優しい人たちもたくさんいます。
そこには生きていくための知恵や工夫、教訓や教えが詰まっています。
そんな姿から私たちは、多くのことを学ぶ。そのために昔話が今なおあると私は思っています。
教科書に載るお話しには学習における意味や到達したい解釈などあるかもしれませんが、出来れば、教科書で出会う前に大好きな人の温もりの中で、よいことをすれば、よいことがある。そんなお話に出会ってほしいと思っています。
<プロフィール>
絵本のつなぎて ふわはね(内田祐子)
絵本を描く人作る人読む人読んでもらう人を繋ぎたいと関西を中心に活動を続ける。絵本で作る扉や広がる世界を楽しもうと絵本の紹介や絵本がある暮らし、親子の時間が楽しくなる発信をと綴るインスタグラムは子育て中のお母さんや幼児教育に携わる先生方に支持される。
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