VOL.12

2023.01.10

ブロカントが教えてくれる、サステナブルの魅力

趣味雑貨営業統括部
国井 祐子くにい ゆうこ

本能的に「いい」と感じるものとの出会い

ブロカントは、フランス語で「古道具」を意味します。それは、単に昔の人が使っていた道具という意味ではなく、わかりやすく表現すると「がらくた」という言葉がしっくりくるかもしれません。過去に誰かが使っていていらなくなったもの(=がらくた)が、次の誰かの手に渡ってまた使われて・・というサイクルがゴミとしての廃棄を減らし、結果Goodな世界につながる。私が担当している「乙女ブロカントマルシェ」は、数あるブロカントの中から自分の心がときめく宝探しのような場だと思います。


「物を買う=新品」以外の選択肢

他国(特に北欧など)と比べると、日本ではまだまだブロカントは浸透していないと感じます。海外出張で訪れたフィンランドには、町の至る所にリサイクルショップがあります。そこに住む人たちは、物を買うとき、新品を買う前にまずリサイクルショップでほしいものを探し、見つからなければ新品を扱うお店に向かう。ブロカントを購入して使うことが当たり前の感覚として根付いていることがよくわかります。


広がり続ける蒐集の可能性

ブロカントの魅力は、終わりがなく、楽しみが尽きないところです。一度魅力を感じると知らず知らずのうちに、身の回りにブロカントが揃っているなんてことも不思議ではありません。私は自宅でアンティーク家具を愛用していますが、揃えだすとその世界観で何もかも揃えたくなってきます。シャープでモダンなものを置いても馴染まないので、好みのブロカントショップに行って揃えるというのが当たり前になりました。好きなもので溢れた空間は、癒しにもつながり、心が満たされます。


ブロカントが教えてくれること

ブロカントは、新品よりも高価なものが多く、「なんでだろう」「どこに魅力があるのだろう」と思うことも多いはずです。今や、世の中は情報に溢れ、知りたいことはインターネットで簡単に検索できてしまいます。だからこそ、物の良し悪しを判断する力、その商品に値段以上の価値を見出して選び取ることができるかどうか。一例ですが、技術の発達によって、現代において手仕事は減少してしまいました。稀少性の高さだけでなく、手仕事ならではの繊細さ、作られた背景やこだわりを知り、丁寧に使われていてまだまだ使えるものだと気づく。そうすることで、自ずと物を大切にしようという気持ちが強くなっていくのだと思います。「乙女ブロカントマルシェ」は、そういう意味で年齢や性別問わず、サステナブルの意識が芽生えるきっかけになり得るのではないでしょうか。一期一会の出会いと可能性がそこには溢れています。


EVENT

『乙女ブロカントマルシェ』 

●10階 『うめだスーク』中央街区

●1月11日(水)から18日(水)まで ※最終日は午後4時終了

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PROFILE
 
国井祐子

阪急うめだ本店の販売促進部在籍時、定番催事となった「時代マーケット」を立ち上げる。10階のうめだスークを担当後は、「乙女ブロカントマルシェ」や「蚤の市」といった人気イベントの仕掛け人として、奥深く、好奇心の尽きない"骨董"の魅力を提案し続けている。

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